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Python開発者がブロックチェーン普及の鍵を握る


Python開発者がブロックチェーン普及の鍵を握る

ニッチな言語を知らなくても、暗号技術の専門スキルを持っていなくてもOK。Pythonさえあれば。

by ジョン・ウッズ



デリバティブ・アナリストから応用暗号学者まで、私はキャリアを通じて多くの帽子をかぶってきたが、心の底ではソフトウェア・エンジニアだ。もともとコーディングが好きで、「開発者」を自認する他の多くの人たちと同じように、Java、Swift、C、Rustなど、お決まりのプログラミング言語を複数知っている。そのため、私の中の暗号学者がビットコインやモネロのようなアイデアを追いかけて分散型コンピューティングに夢中になったとき、私の中の開発者はブロックチェーンが必要とする新しいプログラミング言語の習得に挑戦した。この経験を通して、まったく新しいプログラミング言語を学ぶ必要性という大きなハードルがすぐに見えてきた。たとえその言語が既存の言語と類似点を共有していたとしても(SolidityがJavaScriptの構文に似ているように)、分散型オペレーティング・システム用のアプリケーションを構築できる人が限られてしまう可能性がある。


今日に至り、状況はシフトした。ブロックチェーンはもはや縁の下の力持ちの概念ではなくなっているが、そのマスへの導入は依然として、開発者のアクセシビリティとUXというハードルに直面している。開発者がアプリケーションを構築しなければ、分散型アプリケーションは生まれない。それらアプリケーションなくして、広範な導入は起こらない。そこで、世界で最も使用され、需要の高いコーディング言語のひとつであるPythonの出番となる。



人気アプリの裏にPythonあり


Pythonは習得が簡単で汎用性の高い言語で、私たちが今日知っているインターネットの大部分を支えている、業界を超えた主力言語だ。シンプルな写真共有アプリとしてスタートしたInstagramは、今や世界をリードするソーシャル・メディア・アプリのひとつだ。そのバックエンドのインフラは?Pythonだ。


アルゴリズムが聴きたい曲を選んでくれる、どこにでもある音楽ストリーミング・サービスのSpotifyは、Pythonで動いている。ChatGPT、MetaのLlama3、Google Geminiを含む多くの大規模言語モデルは、その開発と機能性においてPythonとPyTorchに依存している。業界を定義するPython搭載アプリはまだまだある。Pythonの親しみやすさは信頼感をもたらし、これこそがブロックチェーンが広く受け入れられ、親しみやすくなるために必要なことなのだ。


Pythonでブロックチェーン上でプログラミングすることは可能だが、適切に実行されてこなかった。私たちは最近、アルゴランド・ブロックチェーンのネイティブ・プログラミング言語としてPythonを統合した。これは、シームレスなPythonネイティブ・コーディング体験を実現するための、複数年にわたる重要な事業だった。


以前は(他の多くのブロックチェーン・ネットワークがそうであるように)PyTEALというPythonに似た言語があったのに、なぜこのようなことに時間と労力を費やしたのか?私たちは、真正のPythonは企業にとってブロックチェーンにおける主要なオンランプの一つだと考えている。Pythonは、企業がすでに持っているもの、つまりPython開発者の有能な人材を使って構築することを可能にする。ニッチな言語に精通したスペシャリストを雇うために多くの資金を費やす必要はない。現在の開発チームは、その専門知識を活用して、安全で透明性の高い分散型ブロックチェーン・ソリューションを構築し、維持することができる。このようなアクセシビリティとエンジニアリング・コストの削減こそが、ブロックチェーンの主流への普及を後押しするのだ。



ブロックチェーン:単なる暗号通貨インフラではない


ブロックチェーンといえば、一般的には暗号通貨を思い浮かべるが、それもそのはず、暗号通貨はブロックチェーン革命の火付け役だったからだ。暗号通貨は、仲介者なしに国境を越えた安全で検証可能な価値の移転を可能にする。しかし、ブロックチェーンには、起業家的な開発者たちによって解き放たれるのを待っている、はるかに多くのユースケースがある。問題は、開発者がこのWeb3テクノロジーに飛びつくのを躊躇していることにある。第一に、言語の壁(Pythonを使えば多くの場合解決する)、第二に、業界を問わず企業が業務にブロックチェーンを活用する方法について、まだ理解が広まっていないことだ。


ブロックチェーンは、従来の中央集権的なウェブが苦手としている問題、例えば、安全な永続的記録の保持に取り組んでいる。現在のほとんどの企業では、データは集中管理されたサーバーに保管され、サイロ化されている。一方、ブロックチェーンは検証可能で改ざん不可能な追跡と出所を提供する。これは、恒久的な公的記録、臨床研究データ、サプライチェーンのログ、分散型IDのような状況で重要だ。このようなデータを管理するシステムの多くは、すでにPythonで構築されている。これらの同じ開発者は、ブロックチェーン上でより安全で監査可能なソリューションを作成するために、そのスキルを活用することができる。



スマートコントラクト:契約自動化


今日の多くのブロックチェーンのもう一つの特徴は、スマートコントラクトである。これらのプログラム可能な契約(アプリ)は、あらかじめ決められた条件に従って契約や取引を自動化する。これにより、まったく新しいビジネスモデルや取引形態が可能になり、失敗や操作のリスクなしにプログラム通りに正確に実行される自動支払いや文書ワークフローが可能になる。ConsenSysでの仕事の一環として、私はスマートコントラクトを活用した世界最大の農業トレーダー向けの取引後決済システムであるCovantisを設計した。目標は純粋に業務効率化だった。もちろん、スマートコントラクトの利用は農業にとどまらない。保険、不動産、法律サービスなどの業界は、プログラム可能な(こうすればこうなる:if, then)スマートコントラクトによって複雑なプロセスを合理化できるだろう。アトミック・トランスファーは、合意されたすべてのアクションが1つの取引で一緒に行われるようにすることで、この効率性を次のレベルに引き上げる。これにより、会ったこともない相手と取引することが可能になるが、信頼できる保証された状態で、お互いが望むものを手に入れることができる。



Python: Web3普及への道


こうした機会はまだ初期段階にある。しかし、ピア・ツー・ピアのネットワークを通じて金融関係や信頼関係、意思決定を再編成することで、ブロックチェーンが業界全体や世界的なシステムをどのように再構築するかを考えると、信じられないような気持ちになる。Pythonは、こうした可能性を解き放つ鍵になるかもしれない。世界中に1,000万人いるPython開発者は、こうしてブロックチェーンで未来を築くアーキテクトとなり、普及を促進することができるのだ。


ブロックチェーンが広く普及するには、開発者がアプリケーションを構築しやすくする必要がある。だからこそ、プログラム可能なエンタープライズ・グレードのレイヤー1ブロックチェーンであるアルゴランドは、意味的にも構文的にも通常のPythonでネイティブ・サポートを提供を最初に始めたのだ。この経験は、私が数年前にブロックチェーンのキャリアをスタートさせたときよりもずっと簡単で、とっつきやすくなっている。Pythonさえあれば、ニッチな言語を知らなくても、暗号技術の専門スキルを持っていなくても参加できる。この比類なきアクセシビリティこそが、ブロックチェーン普及の原動力となる。現在と未来はPythonで築かれる!



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