週刊アルゴランド・ジャパン
Vol. 42 【2022年2月10日発行】
米国MIT発パブリック・ブロックチェーン「アルゴランド(Algorand)」の最新情報プラスαを毎週木曜日にお届けします。皆様からの協業・提携、助成金申請、イベント共催などの各種ご提案も絶賛受付中!お気軽にお問い合わせください。
【目次】
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【はじめに】
最近、パブリック・ブロックチェーンを国家に例える話をよく聞きます。一般的に国家とは「領土」「人民」「主権(統治権)」の3要素からなるとされていますが、領土はプラットフォーム、人民はユーザー/エコシステム参画者、主権はコンセンサス・プロトコル/ガバナンスというイメージでしょうか。
領土であるプラットフォームではインフラ構築が最重要課題となります。いわゆるライフライン(水道・ガス・電気)や、道路、各種交通機関(陸海空)はもちろん、教育・社会保険制度などの社会インフラをどれだけ整備できるかによって国力が試されます。これはプラットフォームのセキュリティ、性能(スピード、スケーラビリティ、ダウンタイムの有無など)はもとより、各種DeFiの充実度も関わってきます。
人民に関しては、要はどんなコミュニティなのかということでしょうか。金儲けだけが目的の投機家ばかりでは、先が知れてしまいます。でも参加の動機は何であれ、そのコミュニティで独自のカルチャーを育んでいけばいいだけで、そこでいわゆるコミュニティ・マネジャーの力量も試されます。
そして主権の部分ですが、これはブロックを承認するコンセンサスの仕組みの部分と、DAO的要素(アルゴランドでいうコミュニティ・ガバナンス)の部分の2つがあります。よくいう「分散化・非中央集権化」ですが、自由・民主主義とか独裁・専政とかに関わってくる部分なので、まさに政治の世界です。パブリック・ブロックチェーンに警戒感を表す国がどんなところなのかを見てみると面白いです。完全に分散化・民主化されたものに人民が触れてしまうと、意識改革に火がつき、政変へと進みかねません。
いずれにしろ、パブリック・ブロックチェーンを比較するときの視点として、こういった見方はすごく役立ちます。ただし国との違いとして、ユーザーは別に一つのチェーンだけを選ぶ必要はなく、いくつでも自由に参加できるという点です。海外旅行の気分で、他のチェーンも使ってみると新たな発見がありそうです。
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